ピロリ除菌をしても胃がんには関係ない

中国のハイリスク層における胃癌予防のためのヘリコバクターピロリ除菌

Helicobacter pylori eradication to prevent gastric cancer in a high-risk region of China: a randomized controlled trial.

JAMA. 2004;291:187-194.

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・少々古い論文だが、ピロリ除菌治療が、胃がんの発生を抑えるか?いい疑問を投げかけた論文だ。

・結果は、プラセボと変わりがない。しかし、これはフォローアップ7.5年間という短さか?(短い?、いや十分な気もする)

・5年をすぎるとピロリ除菌をした患者群からも胃がんの発生率が増加しています(下の図)。すごいな、これ。

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【Context】

 慢性のヘリコバクターピロリ感染は、胃癌と関連があるが、ヘリコバクターピロリ治療の慢性キャリアにおける胃癌進展の予防治療の効果は、まだ不明である。

【Objective】

ヘリコバクターピロリ感染の治療が胃癌の発生率を減少させるかを判断する。

【Design, Setting, and Participants】

 プロスペクティブ前向きの、ランダム化試験で、プラセボ比較、地域住民の一次予防をベースにした研究で、1,630名の健康なヘリコバクターピロリ感染のキャリアが、中国の福建省Fujian Provinceで、1994年の7月に募集され、2002年の1月までフォローアップされた。検査study?で前癌性病変(胃の萎縮、腸上皮化生、胃異形成)のない全部で988名の患者が参加した。

【Intervention】 

 患者は、ランダムにヘリコバクターピロリ治療:omeprazole20 mg+パセトシンamoxicillin and clavulanate potassium750mg+metronidazole 400 mgを1日2回2週間(n = 817); と placebo (n = 813). にわけられた。

【Main Outcome Measures】

 第一のアウトカムの測定は、フォローアップ期間における、ヘリコバクターピロリ除菌群とプラセボ群の比較における胃癌の発生率である。第二のアウトカムの測定は、この二群における、前癌性病変がある場合と、ない場合の胃癌の発生率である。

【Results】

 18名の新しい症例で胃癌の進展がみられ、全体での減少は全くみられずヘリコバクターピロリ治療(7名)と治療していない(11名)、 (P = .33)であった。on presentation,前癌性病変のないサブグループの患者では、プラセボと比較して治療した患者は、7.5年間のフォローアップで胃癌進展の患者はまったくなかった(0 vs 6; P = .02). 。喫煙は (hazard ratio [HR], 6.2; 95% confidence interval [CI], 2.3-16.5; P<.001) 、高齢 (HR, 1.10; 95% CI, 1.05-1.15; P<.001)は、このコホート研究で、胃癌進展の独立危険因子であった。

【Conclusions】

 われわれは、中国におけるハイリスク層の7.5年間におけるヘリコバクターピロリ治療とプラセボ投与において、住民レベルにおいては胃癌の進展率は同様であることをあきらかにした。サブグループのヘリコバクターピロリキャリアで、前癌性病変がなく、ヘリコバクターピロリ除菌をすることは、有意に胃癌の発生を減少させる。さらなる研究で、前癌性病変のある患者のヘリコバクターピロリ除菌の役割の調査が根拠となるだろう。

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